インフルエンザの流行期間中にインフルエンザになって医療機関を受診する患者さんは、多い時は千数百万人といわれています。
そしてインフルエンザの影響で死亡する人は、年間1万人前後と推計されています。

性病は近年急増している病気の一つです。
性交渉の低年齢化や不特定多数化、性風俗のファッション化やアナルセックスやオーラルセックスの一般化が背景にあると考えられています。

高血圧は予備軍も含めると800万人を上回っています。高齢者では3人に2人が高血圧です。

今日本で蔓延している病気について、正しい理解を持つことは予防の一方法です。

疑問1■インフルエンザは何故流行るのか

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染です。
感染者の咳やクシャミからウイルスが飛び散って、周囲の人が鼻や口から吸いこんだり、ウイルスが手に付いた状態で鼻をこすったりすることで感染します。
小さなお子さんの場合、鼻をほじる癖がある子供は感染するリスクが高いという報告もあります。

マスクがインフルエンザの予防になりますが、多くの人が正しく使えていません。
マスクを着用する時は、マスクの上側にある針金を鼻の形に合わせて、鼻から顎までをしっかりと覆う必要があります。
単につけているだけでは、効果は望めません。

口だけマスクで覆って鼻が出ていたり、鼻の周りに隙間ができているような着用の仕方では単なる飾りにしかならず、感染を予防する効果は得られません。

また、使用後のマスクにはウイルスが付着している可能性があります。
予防目的で使用したマスクには外側にウイルスが付いています。
マスクの外側に手を触れないようにして、外側を閉じて処分しましょう。

予防目的で使ったマスクは、内側にウイルスが付着している可能性が高いです。内側に閉じて捨ててください。
勿体ないからと何日も同じマスクを使ったのでは、感染防止の意味はありません。

インフルエンザのワクチンは、ワクチンを接種することで発症のリスクを50~60%減少させることができます。
高齢者では発症のリスクを34~55%減少させ、インフルエンザで死亡するリスクを82%減少させることができます。

しかし中には、ワクチンを接種したのだから大丈夫だと油断してしまう人も少なくないようです。
ワクチンを接種してもインフルエンザに感染することもあるのですが、単なる風邪だろうと思って医療機関を受診することなく出勤する人もいます。

日本人は非常にまじめで我慢強いため、病気になっても熱があっても仕事を休まない傾向があります。
ワクチンを接種したのだからインフルエンザではないと自己判断して、電車に乗り出社してスーパーやコンビニなどに寄って買い物をして帰宅したのでは、ウイルスをばら撒いているようなものです。
こうして、知らず知らずのうちに感染を蔓延させている人も、少なくありません。

また、ワクチンはすぐに効果が出る物ではないということも知っておきたいものです。
抗体ができるのは接種後2週間くらいからで、1か月ほどで抗体の量がピークになり、その後5カ月ほどで減少していきます。
流行のピークが1月なら、11月末には接種しておくことが望ましいです。

疑問2■性病は何故気づかないで蔓延するのか

昭和初期に流行した性病は局所症状が強いものが多かったのですが、近年蔓延している性病は自覚症状に乏しいものが増えています。
そのため、自分が性病に感染しているということに気づかないことが大半です。
感染していても気づかないので、病気になっているという自覚がなく元気に過ごし、その間に性交渉も持つことでしょう。
これが蔓延する一因になっています。

性病に感染していても無症状の為、妊娠して妊婦検診を受けて初めて発覚したり、不妊症の相談に訪れた婦人科で初めて性病に感染していることが判ってびっくりする、というケースが多いです。
しかし、発覚するまでには大勢の不特定のセックスパートナーがいて、誰が原因なのか全然わからないというケースも珍しくありません。

HIVに感染すると数週間後にインフルエンザに似たような症状が出ますが、その後は数年から十数年もの長い期間、特にこれと言って症状はありません。
この期間を無症候性キャリアと呼んでいますが、この期間中にHIVに感染しているとは知らずに不特定多数の人と性交渉を持つと、たちまちにして感染が蔓延してしまいます。

HIV感染は元々、不特定多数の人と性交渉を持つケースにリスクが高いので、この期間に性交渉を持つと、これが感染を広めてしまう大きな原因になっています。
不特定多数の人と性交渉を持っている人や同性間での性交渉を持っている人は、定期的にHIVに感染していないか保健所で調べてもらう必要があります。

1人が5人と性交渉を持ち、その5人がそれぞれ5人のセックスパートナーがいれば、ネズミ算の如くたちまちにして蔓延してしまいます。
また、ある高校では、10人に1人の割合で性病が見つかったという報告もあるように、初体験が低年齢化しています。
これも蔓延している一因だと言えるでしょう。

若い子たちはまるで、流行のファッションをしていないと時代遅れだと言われるのと同じように、10代で初体験をしないと時代遅れのように感じています。
風俗へ行って性交渉を持つことがファッション化しつつあることも、大きな要因です。

加えて、オーラルセックスやアナルセックスが一般化していることも、性病が蔓延している一因だと言えます。
性器から性器への感染だけではなく、口から性器への感染や性器から口への感染もあります。肛門から口や肛門から性器への感染も増えました。

既にセックスを経験しているかどうかではなく、いつ、誰と、どこで、どんなふうに、どういう理由で初体験をするのかが重要です。

疑問3■高血圧がサイレントキラーと呼ばれる理由

高血圧になると何が怖いのかと言うと、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなることが一番怖いことです。
高血圧そのものは無症状です。そのため、高血圧はサイレントキラーと呼ばれています。

血圧が160/100mmHg以上になると、脳出血や脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中になるリスクが、血圧が高くない人の約3倍になります。
180/110mmHg以上の高血圧になると、8倍にもリスクが上昇します。

高血圧が長く続くと、末期腎不全のリスクも高くなります。
腎臓の働きが低下する腎不全は、初期には自覚症状がないため、気づかないうちに進行することが大半です。
そのため、腎臓がほとんど機能しなくなって、人工透析が必要になる末期腎不全になることもあります。

末期腎不全のリスクは140/100mmHg以上の場合は、男性では血圧が高くない人の約8倍、女性では約2倍です。
180/110mmHg以上の人では男性は約17倍、女性は約8倍にも上昇します。

このように血圧が高い状態が長く続くと血管にダメージを与え、脳や心臓や腎臓などの重要な臓器にも影響を及ぼします。
これが、高血圧がサイレントキラーと呼ばれるゆえんです。

人の体には血管が全身に張り巡らされていますが、腕や足の血管は太い動脈から徐々に細い動脈そして毛細血管と少しずつ細くなっています。

しかし、脳では直径3~6ミリの血管から0.1ミリの細い血管になっていたり、心臓では直径2.5センチの大動脈を出るとすぐに直径2~3ミリの冠動脈になっています。
また腎臓も同じく、直径3~5ミリの動脈を出るとすぐに0.05ミリの細い動脈に枝分かれします。

心臓や脳や腎臓では、血管が急に細くなるので、太い血管にかかっていた圧力がそのまま、細い血管にかかります。
高血圧があると、細い血管にかかる負担が大きくなって、血管が壊れたり血液が詰まって渋滞になってしまいます。
丁度、高速道路を出た道が急に細い道路だったらどうなるかを考えると、判りやすいでしょう。
このような状態が心筋梗塞や脳卒中や腎不全へとつながっていきます。

既に高血圧がある人も、食事や運動や睡眠などの生活習慣を改善したり、薬の力を借りて血圧を下げて血圧を上手くコントロールすれば、これらのリスクは下がります。

血圧を管理することで脳や心臓や腎臓を守ることができ、サイレントキラーに倒されることなく、健やかな毎日を送れるでしょう。